小さな会社や個人事業主の名刺印刷

ビジネス名刺作成の最重要点とは?

唐突ですが、ビジネス名刺を作成するにあたって、最も大切なことは何か考えてみましょう。
皆様は何が大切とお考えになりますか?「美しい仕上り、出来栄え」でしょうか?それとも「気の利いたデザイン、綺麗な文字組み」でしょうか?
もちろん、これらも大切な要素ですが、ビジネス名刺においてはあくまでも付加価値の要素ではないでしょうか。個人使用のプライベート名刺なら、インパクトやイメージ重視でそれらが最優先で良いのですが、ビジネス名刺の場合は仕上りやデザインの前に、まず信頼されなければ話が始まりません。少なくとも信頼感を損なうような負の要素が無い事が必須です。
私はここで言い切りますが、ビジネス名刺において最も重要な要素は「名刺に印刷される文字の内容そのもの」です。
こう申し上げてピンとくる方もいらっしゃるでしょうし、「文字の内容って言っても名前とか住所とか、はじめから決まってる事だから検討の余地がないじゃないですか?」とおっしゃる方もおいででしょう。
このページは後者の方に是非お読みいただきたいのです。それでは名刺に印刷される項目ごとにお話いたします。

屋号

お客様が法人でしたら特に何の問題もありません。社名をそのまま印刷するだけですからそれこそ検討の余地がありません。
しかし一点だけご指摘をさせていただきたいのですが、有限会社、株式会社などの法人格の表記は省略しないほうがよろしいでしょう。
基本的にビジネスにおいて何かを省略することは、物事を軽んじる事(時にはマナーの欠落)と捉えられます。(株)などとせずにきちん株式会社と印刷しましょう。

次に個人事業主の屋号の印刷についてです。
個人事業主の屋号は、法人のように登記で決まっているわけではありませんので、新しい事業をはじめる場合などは実質的にご本人の好きなようにつける事ができる(つまり名刺に屋号を名乗ってしまえば、それが名実共に屋号になってしまう)わけですが、ここでちょっとした間違いが起こりがちです。

個人事業主の屋号には使ってはいけない語句があります。個人事業主はあくまで個人事業主であり会社ではありません。ですから会社と勘違いさせるような語句を使うことはできません。
屋号を○○会社とするのはもちろんですが、○○社もNGと考えるのが一般的な認識です。日本語の屋号の場合はわかりやすいですが、外来語を使った屋号の場合は注意が必要です。
○○インク、○○リミテッド、○○コーポレーションなどは会社を意味するワードであることを認識しておく必要があります。
これらを使った名刺をお仕事に使用しますと商法や会社法上問題になります。事業内容によっては最悪の場合は詐欺罪になる可能性もあります。
この間違いは時々遭遇しますが、そうした際、当店ではお客様にご説明し印刷する屋号を変更していただいたり、ご理解いただけない場合はご利用をお断りさせていただいたりということもあります。(当店では原則的にグレーゾーンの物件はすべてお断りしております。)
ただし、当方は法律家ではありませんので違法かどうかの最終判断はできませんし、名刺のご注文の際、当方が指摘しなかったから問題がないと保証するいうことでもありません。
最終的には自ら事業を起す者の自覚と責任において各自お調べいただくべきものと考えますので、ここではよくある例をあげての注意喚起に留めたいと思います。

お名前

旧字や異体字を使う場合ちょっとした気遣いが必要です。
その文字が「はしご高」のような一般に馴染みの深い旧字でしたら正規の文字で印刷されるのがよろしいでしょう。
しかし、ほとんどの人が恐らく初めて目にするであろう珍しい文字を使う場合は、常用漢字に置き換えることも一度ご検討されてみてください。
お付き合いが始まりますと、お相手があなたのお名前を書いたり、パソコンに入力するような機会が少なからずあります。その際、お相手の方がきちんとしたマナーの持ち主であればあるほど、お気遣いやご苦労をされる事になります。もし、既に日常的に常用漢字をお使いになっていらっしゃるのでしたら、あえて正規表記にこだわらないのも思いやりです。
ひとつのアイデアですが、お名前は旧字で印刷し「日常的には○○の表記で失礼させていただいています」などと小さく併記することでインパクトを与えることも出来そうですし、ひとつの話題作りにもなりそうですね。

お名前の読み仮名

よく間違われたり、いろいろな読み方のあるお名前でしたら迷わず印刷することをお奨めします。
お相手が「何と読むんだろう?」と思ったその瞬間に思いやりの無さを感じてしまいます。
ローマ字で入れる場合は複数の表記方法が混在しないように注意します。この点は「ローマ字表記」のページをご参考にされてください。
お名前のローマ字表記の綴りの細かい点にこだわる場合は、旅券(パスポート)の表記方法がご参考になるでしょう。

参考ページ:東京都ホームページ パスポート ヘボン式ローマ字綴方表

肩書き

これも屋号の項目と一緒で時々遭遇するのですが、法人と個人事業、法人でもその形態によって使える肩書き、使えない肩書きがあります。

形態 使用可能な例 使用不可な例
株式会社 代表取締役、代表取締役社長、取締役社長など -
有限会社 取締役、取締役社長、社長など -
合資会社 代表、代表者、代表社員、無限責任社員など 取締役と付くもの
合同会社 代表、代表者、代表社員など 取締役と付くもの
個人事業主 代表、代表者 取締役と付くもの、社とつくもの

個人事業主からのご依頼で「代表取締役」と印刷するご依頼も少なくありません。(もちろん当店ではお断りさせていただいております。)
肩書きの語句については、法的な役割としての意味をもつもの、慣習的に扱われるものがありますので、これ以外にも使える肩書き、使えない肩書きは条件によってあることと思います。
詳しくは自ら事業を起す者の自覚と責任において、各自お調べいただくべきものと考えますので、ここでは注意喚起の範囲に留めたいと思います。

ご住所以下、電話番号、メールアドレスなどについては続編に続きます。
次に「名刺の住所印刷について」をどうぞ。